お勤めご苦労様です

夜。自転車での帰り道、警官に呼び止められる。「ん?あぁ、そうか」自転車を止めると、何やら黄色い紙を手渡される。



 「最近自転車の事故が多いんで配ってるんですよー」
 「あーそうなんですか、ご苦労さまです。」
 「注意や罰則が書いてありますんで、良かったら目を通しておいてください。」
 「はいわかりましたドーモ」
 「あ、一応防犯登録確認いいですか?」
 「はいはいどうぞ」
 「あとここ、サインお願いできますか。名前と携帯の番号だけでいいんで。」



何故?と思ったがまぁ防犯登録でどうせ名前はわかるだろうし・・・と名前だけ記入。



 「はい」
 「携帯の番号もお願いs」
 「持ってないんですよ」
 「あ、そうですか。んじゃ次、印鑑持ってます?」
 「へ?」
 「無かったら拇印でいいですよ。ここにポンッ!と、はいこれインク。」



さり気無いなぁ、と。別に悪事を働くつもりはないが、自分の指紋がデータとして保存されるのはなんとなく気持が悪い。「嫌です。任意ですよね?」と聞いたらスンナリ受け入れられた。「こういうので面倒くさく絡まれたことってあります?」と聞くと、時々あるとのこと。いやぁオマワリサンも大変だなぁ・・・と思いながら再び自転車に跨り、その場を去る。結局、無灯火運転については一言も咎められなかった。