シアワセナンダッケ
最近、自分自身を「幼い」と感じるようになってきた。自分を幼くみせようとする、あるいは自ら幼くあろうとする浅はかさに、生来の「臆病な自尊心」の息づかいを感じながら、そのこと自体を「幼い」と感じ、それを肯定しようとしている。同時に、自分が「幼い」と感じている自分を受け入れることに、小さな恐怖感を覚えている。だからつまらない意地も張ったり、色々なことを抱え込んだりしながら、その傲慢さに満足したりする。ただ、幼さと幸せはどこかで重なるようにも思う。
この土日は叔父の一周忌に先輩の結婚式にと冠婚葬祭続きだったが、それぞれにおいて、人の幼さと幸せとを連想させる場面に出会った。なかでも、祖母に坊さんが尋ねた一言と、対する祖母の言葉が、とても強く印象に残っている。
「おばあちゃん、今、幸せですか?」
「ええ」
息子に先立たれた老母と坊主のこの不思議なやりとりに、今の僕は何ものかを感じざるを得ない。そしてそれを上手く言葉で表すことができない。あの「ええ」の持つ幼さと素直さに、幸せの影を感じてしまう。一年で最も空気が冷たくなるこの時期になると、こんな下らない、でも面白いことを、あれやこれやとついつい考えてしまう。それが何故なのか、わかるようでいて、やっぱりよくわからない。
雪見酒
東京で雪が降ると、その年は何かしら良いことが起こる。第一モテ期の小4の冬も大雪だったし、中学受験の冬も大寒波が訪れていた。待ちに待った高校入学直前の冬も、浪人が止まったセンター試験当日も、就職が決まった後の冬も、やっぱり雪が降っていた。生まれた年の冬も稀にみる厳冬だったようだ。今年もやっぱり何か良いことが起こる気がする。
部長「雪も降ってるし早く帰りなよ今日は」
ぶー「はい。今あんまり帰れる状況に無いんですけど、まぁ適当に切り上げます。」
部長「あ、あと明日雪かきすることになりそうだから8時出社で」
今日も会社行事で8時出社、これで連日早起きか。嫌でもテンションが上がるシチュエーションだ。さすれば!と、とにかく明日できる仕事をすべて放置して帰り支度。閉店間際のスーパーで半額シールのついた刺身をカゴに入れ、その勢いで取っておきの日本酒をあける。ベランダから外を眺めると、白く染まった隣家の屋根が妙に色っぽい。子供じみてはいるけれど、明日の朝がやっぱり楽しみで仕方ない。
ぽん酢ダブルWhite
昨日の午後から今までずっと自由だったのに、家事を終えたら抜け殻のようになってしまった。睡眠時間を削って仕事と飲み会と趣味をこなした一週間のツケがまわった感じだ。
そんなこんなで、今日の夕飯は手軽にしゃぶしゃぶ。ビールを飲みながら肉を鍋にくぐらせていたら、何だか物足りない。試しにパンツを脱いで肉を食べてみた。
・・・10秒でやめた。よく考えたら一時期流行語になったアレとは全然意味が違う。思わず笑ってしまった苦々しさと、ぽん酢のすっぱさが、不思議と食欲を刺激する。肉を追加し、久々に2杯目のご飯をよそう。ようやくこの時間になって元気が出てきたみたいだ。楽譜の続きでも書くかな。
反抗期・・・?
休日出勤の朝、睡眠時間は3時間。どうにも仕事をするようなテンションにならなかったので、髪の毛をヴァサっと立てて固めて気分を無理やり盛り上げる。いざ出勤!
部長「なんか頭爆発してるよ。直しといで。」
ぶー「あ、え、と・・・」
怒られた。笑いを必死に堪える先輩を横目にトイレへ向かい、頭を撫でつけながらあまりの面白さにニヤけが止まらなくなった。えっと、僕はもう少し丁寧に生きた方がいいのかもしれません。