シアワセナンダッケ

最近、自分自身を「幼い」と感じるようになってきた。自分を幼くみせようとする、あるいは自ら幼くあろうとする浅はかさに、生来の「臆病な自尊心」の息づかいを感じながら、そのこと自体を「幼い」と感じ、それを肯定しようとしている。同時に、自分が「幼い」と感じている自分を受け入れることに、小さな恐怖感を覚えている。だからつまらない意地も張ったり、色々なことを抱え込んだりしながら、その傲慢さに満足したりする。ただ、幼さと幸せはどこかで重なるようにも思う。


この土日は叔父の一周忌に先輩の結婚式にと冠婚葬祭続きだったが、それぞれにおいて、人の幼さと幸せとを連想させる場面に出会った。なかでも、祖母に坊さんが尋ねた一言と、対する祖母の言葉が、とても強く印象に残っている。


「おばあちゃん、今、幸せですか?」
「ええ」


息子に先立たれた老母と坊主のこの不思議なやりとりに、今の僕は何ものかを感じざるを得ない。そしてそれを上手く言葉で表すことができない。あの「ええ」の持つ幼さと素直さに、幸せの影を感じてしまう。一年で最も空気が冷たくなるこの時期になると、こんな下らない、でも面白いことを、あれやこれやとついつい考えてしまう。それが何故なのか、わかるようでいて、やっぱりよくわからない。