うらはら

今日、会社の人から「自炊してるんだよね?」と一冊の料理本を貰った。ぱらぱらと開いてみると、簡単でおいしそうな料理のレシピから、普段ほとんど気にしていなかった食材の賞味期限や保存方法まで、自己流づくしの独り身男には目から鱗のことばかり。内容もさることながら、構成やレイアウト、紙質に字体と、随所から編集した人の気づかいが感じられる。久々に本を読んで「温かいなぁ」と思った。


そういえば最近、今までにないくらい気分屋になっている。涙もろく、怒りっぽく、怒っていてもすぐに機嫌が良くなる。毎年気持ちの浮き沈みが激しい時期ではあるが、どうもよくわからない。色々なことに気を使い過ぎ、自分に気を使えなくなってきて、気持ちが自然に生まてくる前に、インスタントの感情をさくっと作ってしまっているのかもしれない。インスタントはやっぱり味気ないし、一度封を開けると腐りやすい。


そんなことをシルクエビス片手に考えつつ、つまみが無い!と冷蔵庫を開けたら、冷蔵なのに勝手に冷凍インスタントになってしまったおかずの残りが出てきた。賞味期限は多分K点超えだなぁ・・・などと葛西もびっくりな冗談をつぶやきながら、とりあえず一口食べてみる。うーんやっぱり少し様子がおかしい。人の心も食べ物も、ほどほどの余裕と計画性が必要なのか。絶妙なタイミングで素晴らしい本を貰ったような気がする。