ちょこっとらぶ

どうにもこうにも話の通じない、取引先の営業ウーマンがいる。商品の説明もしどろもどろで要領を得ず、目の前に広げている資料の内容すらおぼつかない。評価の甘々なNさんをして「100点満点で20点だね、ありゃひどかった」と言わしめるほどの逸材が今日、年末の挨拶をするために我が社にやってきた。自分は打ち合わせの最中だったので、Nさんが一人で応対へ。



しばらく後、席に戻ったNさんが「いやぁ、敵は飛び道具使ってきましたよ。食う?」と何やら妖しげな包みを差し出してきた。ん?あーお歳暮ですか。ちょうど3時だしな、いただきます!と手を伸ばした先にはキティちゃんチョコレートが。え、あ、何だろうな、この妙にしっくりくる感じは。



 「Nさんって結婚されてます?」
 「へ、いや、してませんよ」
 「よかったー!これ良かったらどうぞ。メリークリスマス!」



・・・とまぁこんな経緯があったらしい。食わないよチョコなんて、と愚痴っているNさんに「今日のあの子は何点ですか?」と尋ねたら、即座に「90点」という答えが返ってきた。実は敏腕営業ウーマンだったのだろうか?答えは来年の契約如何を見れば一目瞭然、来年の楽しみがひとつ増えた。