会社の同期に「ガラスの仮面」を借りた。早く帰って読むしかねぇ!と家路についたはいいものの、肝心のガラかめを机の引き出しに忘れたことに気付いてドン凹み。電車の中でドン凹み。何のために会社に行ったんだ・・・



仕方が無いので、鞄に入れていたはいいものの、なんとなく敬遠していた「国家の品格」を読んでみた。敬遠しておけばよかった。なんというか、この本には論理も情緒も美学も無かった。「日本人」という虚像だけしか見えなかった。中身はさっぱり無いんだけれども、この本から滲み出る薄っぺらさに違和感を感じろ!というのが著者のメッセージだというのなら、まぁこの本の存在意義はあったのかなぁ・・・と。百円損した気分だ。



そんなことを考えながらふと窓の外に目をやると、雨はすっかり止んでいた。隣に座った女性の髪から、はぐらかされたような匂いがする。「山羊座の人には素敵な出会いが訪れるでしょう。普段読まない本を読んだら運気アップ!」占いも天気予報も外れたけれど、百円で幸せをひとかじり、そう思うことにした。